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honto
・ヘリウムガスで膨らませた全長20メートルのロボットアーム
・ゴムチューブを変形させて大腸内を自走するロボット
・ゾウの鼻に学び大きな力を生み出すパワーソフトロボット
未来は硬くないロボットの出番です。
パワー、精密さ、効率を求めて、大きな成功を収めたロボット。
産業界を中心に活躍しているが、赤ちゃんをやさしく抱きしめる
といった行動はまだうまくできない。
そんな、従来のロボットでは難しかった課題の解決にチャレンジする、
ソフトロボットに注目が集まっている。
いいかげんさやあいまいさを活用しようとする、
従来のロボットとは逆の発想で生まれたロボット。
本書ではソフトロボットの可能性を、さまざまな実例と
最先端の研究とともにダイナミックに描き出す。
未来を創る「いいかげんなロボット」の世界へようこそ!
●本文より
従来のロボット工学では、エラーは許容されませんでした。
そのおかげで、工場の生産ラインではミスがなく確実な作業を実現できます。
しかし、いつも確実に同じことを繰り返すだけでは順応・成長はできません。
ソフトロボットは、身体にも動きにも知能にも「いいかげんさ」を持っているので、
従来のロボットのようにいつもミスなく確実に動くわけではありません。
ミスもします。
しかしそのおかげで学習し、成長し、環境に順応できるロボットなのです。
目次
一 従来のロボット工学の成功と限界
硬く・生真面目なロボットたち
いいかげんなロボットたち
次々と生まれる〝やわらか〟技術
生き物への憧れ
二 ソフトロボットの歴史
一九七〇〜九〇年代の日本
二〇一〇年からの世界の動き
三 ソフトロボットとはなにか
〝不安定〟が生み出す適応性・順応性
〝あいまいさ〟の許容と活用
現場への権限移譲
パイプ椅子とバランスボール
第二章 しなやかな身体——変形・変化する身体
一 やわらかな身体ができること
力学的・幾何学的適応
しなやかな強さ・たくましさ!
二 やわらかな材料
ゴム・粘土・蜂蜜
高分子材料と犬の散歩モデル
高分子材料の多彩な性質
マイ・ソフトロボットを作ってみよう
やわらかな材料の力学と幾何学
三 不安定な材料
身体改変による適応・順応
土に還るソフトロボット
4Dプリンティング
修復・成長する身体
四 やわらかな構造
硬い材料を大きく変形させる
超軽量、インフレータブルロボット
多関節機構
やわらかさ/硬さが変わる身体
五 やわらかな機能性皮膚
薄膜エレクトロニクス
バイオモニタリング・発光する皮膚
第三章 しなやかな動き——すべてを仕切らない
一 やわらかな機構学
自由度
「あとはよろしく」劣駆動
二 ソフトアクチュエータ
アクチュエータとは
空圧ゴムアクチュエータ
マッキベン型人工筋肉
ポリマーアクチュエータ
バイオアクチュエータ
三 ソフトアクチュエータが実現するロボット
大腸内を進むソフトロボット
胃内のバリウムを動かす
動く布と身体サポートロボット
筋骨格ロボット「ガイコツ君」
四 パワーソフトロボット
心優しい力持ちの実現
ゾウの鼻に学ぶパワーソフトロボットアーム
キリンの首に学ぶパワーソフトロボットアーム
第四章 しなやかな知能——やわらかな〝もの〟には知能が宿る
一 よくわからないものを制御する
完全に記述できる硬いロボット・難しすぎるソフトロボット
よくわからないままに動かす
歌うソフトロボット
大腸ロボット
二 しなやかな身体が自ら決める〝動き方〟
泳ぐマス
ハチドリの羽が支配する空気の渦
弱いモータが創り出す歩容
あとはよろしく、適当に
三 分散する知能
アメーバ型ロボット
C・エレガンスが作るパターン
自走するゲル
四 身体にアウトソースする情報処理
連続体に潜む無限の情報
物理リザバーコンピューティング
第五章 ソフトロボット研究の現場から
一 ソフトロボット学研究の最前線
進め「ソフトロボット学」プロジェクト
解剖学×ロボット工学
異分野融合研究の難しさと面白さ
新しいロボット学
二 三五年前のソフトロボット
三 ソフトロボット研究を通じて考えること
グローバル化
新規性と実用性
第六章 E-kagenなロボットが創るしなやかな未来
一 E-kagenなロボット
新しい視点に基づくロボット学
「いいかげん」から「E-kagen」へ
種々の分野で出現するE-kagen
E-kagenの背景
E-kagen科学技術
二 E-kagenなロボットが創るしなやかな未来
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- 紹介されました - 2022.01.31