内容説明
本書では,まず世間でいわれている環境問題をわかりやすく紹介し,そのうえでそれらがはたして本当なのかどうか.今後どうしていったらよいか.倫理の問題を含めて,改めて環境問題を考えるきっかけを提供する.環境問題の教科書,副読本としても最適な一冊.
山下 正和
関東地方ではこの夏停電の可能性があると,まことしやかにささやかれています.テレビのワイドショーでも「大停電」などとセンセーショナルに取り上げたりしていますが,たまたまそのイメージ映像を見てさすがにあきれました.その映像ではなんと,夜中に家々の窓の灯りがいっせいに消え,ご丁寧にもそばを通っている新幹線が真っ暗な中で急に立ち往生したのです.これを見た人はおそらく,大変なことになるのだなと思ったことでしょう.でも東京電力もいっているように,自分のところの不祥事で原発が止まったために電力が足らなくなるのは真夏の昼過ぎだけです.夜には電気が余っているのでこんなことは起こらないのです.電力が足りなくて「ほんとう」に大変なら,それなりの対策をしなくてはいけないのですが,間違ったイメージ映像や広告では正しい解決策がでてきません. 本書を書こうと思ったのは,毎日のようにいわれている環境問題でもこういった類の事がらが大手を振ってまかり通っていて,それによって誤った環境対策がなされていると感じたからです.環境やエネルギーの問題は大事なことであるからこそ,世間でいっているイメージを鵜呑みにするのではなく,科学的にも社会的にもじっくり考えてから行動することがほんとうに大切なのだと思っています. |
目次
2章 地球温暖化の問題 (温暖化では何が起こる?/他)
3章 環境ホルモンの問題 (環境ホルモンとは?/他)
4章 オゾン層の減少 (オゾン層とは何?/他)
5章 ごみの減量化とリサイクル (日本の物流/他)
6章 食糧不足の問題 (飢餓を迎える人類の危機/他)
7章 水不足の問題 (灌漑用水不足/干上がる河川,湖/他)
8章 エネルギー問題 (日本の現状は?/他)
9章 森林破壊の問題 (世界の森林/森林の役割は?/他)
10章 環境問題を科学的に考える (エントロピーって?/他)