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自然に学ぶ粋なテクノロジー (DOJIN選書: 22)

なぜカタツムリの殻は汚れないのか

自然に学ぶ粋なテクノロジー

自然を科学の目で見、ものづくりにどう活かすか。江戸の粋に学ぶ新しいテクノロジーの形。

著者 石田 秀輝
ジャンル 科学読み物
シリーズ DOJIN選書
出版年月日 2009/01/01
ISBN 9784759813227
判型・ページ数 B6 ・232ページ
定価 本体1,700円+税
在庫 品切れ
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内容説明

天然のエアコンともいえる土,洗浄不要のカタツムリの殻,どんな表面にもくっつくヤモリの足,ハンマーで叩いても割れないアワビの殻……自然の中には近代テクノロジーでも容易に真似することのできない「知恵」がある.そんな自然を手本にし,江戸時代の粋の構造までも取り込み,省資源・低環境負荷の技術としてデザインし直すのがネイチャー・テクノロジーだ.これは単なる自然模倣ではない.完璧な循環をもつ自然から学ぶ,新しいテクノロジーのかたちである.資源の枯渇が危ぶまれ,地球環境問題が叫ばれるいま,これからのものづくりに何が必要かを考える.

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目次

あたらしいテクノロジーのかたち――まえがきにかえて
第1章 あたらしく生まれたネイチャー・テクノロジー 1 土に暮らす――無電源エアコン シロアリに学ぶ/偉大なる土/暮らしの中に土をもち込む/当たり前に気付くこと 2 カタツムリに教えてもらう――汚れない表面 汚れないカタツムリの殻/水をかけるだけで汚れが落ちる 3 ネイチャー・テクノロジーの予備軍たち 水のいらないシャボン玉のお風呂/食の枯渇がコミュニティーをつくる
第2章 自然観をもったテクノロジーが必要なのだ 1 あたらしいものづくり文化の創造 循環型社会とは/唯一の循環型社会をもつ自然/完璧な循環をもっとも小さなエネルギーで駆動する自然/利己的でありながら完璧な循環をもつ自然 2 自ら淘汰を起こし生命文明をつくる 3 テクノロジーへの2つの扉 アカデミック・アドバンテージ/ナチュラル・アドバンテージを考える/自然からなにを学ぶか ネイチャーテックの芽:シマウマの縞は風のもと?
第3章 地下資源文明から生命文明へ――今こそ第三次産業革命のとき 1 だれのための地球環境問題か 人間にとっての地球環境問題/暴走する文明 2 地下資源文明から生命文明へ テクノロジーは悪か/第一次産業革命/第二次産業革命から第三次産業革命へ/地下資源には頼れなくなってきた/生命文明創出のための第三次産業革命 ネイチャーテックの芽:食べても使ってもおいしいナタデココ
第4章 人間活動の肥大化が生み出す地球環境問題 1 今の地球の姿 リスクを見極める鳥瞰的視点/二重制約の中にある地球環境問題/地球の再生力である生物多様性/エコロジカル・フットプリントではかる地球の今 2 地球温暖化は文明崩壊のインジケーター 人間活動が地球にかけている負荷/ポイント・オブ・ノー・リターン ネイチャーテックの芽:水上の忍者たち
第5章 近代テクノロジーを支える資源・エネルギーは有限だ 1 化石燃料への依存は続く 石油はいつまで使えるのか/天然ガスと石炭は石油の代わりになるか/原子力で賄えるのか/再生可能エネルギーは主流になり得るか/省エネしかない? 2 金属資源だって有限だ 鍵を握る中国/金属資源の危機 3 ターニングポイントは2030年 ネイチャーテックの芽:木の芽も虫の羽も「三浦折り」
第6章 一歩先ゆく粋なテクノロジー 1 テクノロジーはなんのためにあるのか 有限な地球の資源/あたらしいテクノロジー観創出のために/生活価値の不可逆性という欲のかたち/あたらしいものづくりと暮らしかたのかたち
2 自然を奴隷にした近代テクノロジー 西洋の自然観/自然と人間の対立 3 自然との和合 日本人の自然観/精神欲を創出するテクノロジー 4 ネイチャー・テクノロジー――日本発、精神欲をあおる粋なテクノロジー 江戸の粋/文化をまとったテクノロジー/日本に息づく粋の精神/粋をテクノロジーにつなげる/粋なテクノロジーへの動きは始まった ネイチャーテックの芽:21世紀の救世主!? 木が大好物のシロアリ
第7章 ネイチャー・テクノロジーを生み出すシステムが必要だ 1 ネイチャー・テクノロジーをつくる4つの要素 自然をリ・デザインする/だれもが理解できるということ/テクノロジーに介入する/簡にして明なテクノロジー 2 ネイチャー・テクノロジー創出システム ネイチャーテックの芽:最新LEDで着飾るニレウスルリアゲハ
第8章 2030年に向けて鳥の目をもった人材が必要だ 1 求められる鳥瞰的視野 複雑に絡む環境問題/鳥瞰的視点の必要性/認知的不協和が問題を大きくした/高学歴ほど狭くなる視野/バカロレアに学ぶ人材育成 2 求められる日本から見た世界観 日本は環境先進国/日本にあって海外にはないもの ネイチャーテックの芽:魚のスーパーセンサーに学ぶ無事故社会
第9章 ネイチャー・テクノロジーの卵たち 1 軽く、強く、しなやかな自然 ハンマーで叩いても割れないアワビの殻/しなやかで強いクモの糸/軽くて強い骨/竹は天然プラスチック/曲がるコンニャク石 2 くっつく、離れるを自在に操る自然 野生ゴボウから生まれた面ファスナー/剥がれない水中接着剤/凸凹があっても吸い付くタコの吸盤/どこでもくっつくヤモリの足/季節を感じて剥がれる木の葉 3 光で色を織り成す自然 構造色/色をつくる/色ではかる 4 水を導く自然 転がる水/水を集める 5 自然が作る糸の不思議 麻/木綿/シルク 6 病気を治し、人を癒す自然 菌を制する/ガンを制する/1/fゆらぎとは/光を聴き、音を観る/心癒される音は聴こえない音 7 極限の中を生きる自然 10メートルの階段を駆け上がる/マイナス273℃で眠る/硫化水素で生きる

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