ホーム > 「見る」とはどういうことか

「見る」とはどういうことか (DOJIN選書: 7)

脳と心の関係をさぐる

「見る」とはどういうことか
著者 藤田 一郎
ジャンル 科学読み物
シリーズ DOJIN選書
出版年月日 2007/05/20
ISBN 9784759813074
判型・ページ数 B5 ・230ページ
定価 本体1,600円+税
在庫 品切れ
ご購入の書店をお選びください
  • Amazon
  • セブンネットショッピング
  • 楽天ブックス
  • honto
  • 紀伊國屋書店
  • e-hon 全国書店ネットワーク
  • TSUTAYA online
  • Honya Club.com
  • HMV&BOOKS online
  • ヨドバシ.com
  • bookfanプレミアム
 
この本に関するお問い合わせ、感想
 

内容説明

脳にはたくさんのふしぎがある。日常の何気ない行為、「見る」ことだってそうである。単純で簡単なことのようだけれど、「見る」ためには膨大な情報処理が必要なのだ。「ものを見る」「ものが見える」とき、脳はどんな仕事をしているのだろう?また、「見る」ことの解明は、心のできごとに、どうつながるのか?錯視図形、誰もがもつ盲点、見えているのに見えなくなる現象などの、さまざまな例を入り口にして、脳研究の最前線で何が起きているのかを紹介しながら、脳と心の関係を考える。ワクワクするような脳科学の最先端!

***書評情報***
『日経サイエンス』9月号,評者:岩永洋一

このページのトップへ

目次

第1章 見るなんて、心のうち?
 目に映っているものとは違うものが見える
 目に映っていないものが見える 
 目に映っているのに見ていない  目に映っているのに見えない
 この章のまとめ 脳が見ている
 コラム うねるヘビ

第2章 知覚と行動のつじつま
 脳の基本構造
 目から脳へ
 ものが見えない――盲斑
 視野地図をつった日本人
 ものは見えるけど何だかわからない――視覚物体失認
 知っている人の顔がわからない――相貌失認
 サッチャー錯視魚の顔がわからない
 何だがわかるが働きかけられない――視覚性運動失行
 意識と行動の乖離(かいり)
 見えているとは思えない――盲視
 見えているのに無理する――半側空間無視
 心の世界の半側空間無視
 私たちにも起きる意識と行動の乖離
 この章のまとめ 意識も科学のまな板に

第3章 見るための脳の仕事  
 浜辺の足あと
 ヘルムホルツの無意識的推論
 答えが一つではない問題
 脳はヒントを知っている
 日は頭の上に誰でももっている盲点
 手前の物体と奥の物体
 ものの見え方の視点不変性知覚の成立
 記憶とのすり合わせ――認識
 すり合わせのもう一つのルート
 クオリア
 この章のまとめ 脳機能を問う三つのレベル
 コラム 錯視のもつ可能性

第4章 見る脳を覗
 大脳皮質の視覚領野
 視覚経路は役割分担している
 米粒一つ分の大脳皮質
 ニューロンの役割り
 脳の中の情報伝達
 ニューロンは視野の一部の情報を伝える
 視覚ニューロンは刺激に好みがある
 二つの視覚経路
 情報の脳内表現、符号化、読み取り
 脳内地図
 連続性地図とコラム構造
 分散地図、パッチ状地図
 脳内地図の意義
 この章のまとめ ピクセル表現から知覚に役立つ表現へ
 コラム ニューロンと話す

第5章 心をつかさどるニューロン活動を求めて
 ニューロン活動と知覚のリンク
 地球におりた宇宙人
 脳と心の問題の設定
 錯視図形に反応するニューロン
 二つの目で別のものを見ることはできない――両眼視野闘争
 顔に反応するニューロン
 意識の神経相関
 知覚をつかさどるニューロンの条件
 MT野と運動方向知覚
 ローカルモーションとグローバルモーション
 意識下の知覚
 この章のまとめ 知覚形成プロセスにかかわるニューロン

第6章 二つの目で見る
 片目では不十分
 左右の目は異なる角度から世界を見ている
 両眼視差
 右目像と左目像を対応づける
 V1野が両眼視差を検出する
 コラム フクロウが振り向とき、美女に振り向とき
 V1野の活動は奥行き知覚に直結しない
 V1野以後の両眼視差情報処理
 側頭葉も両眼視差情報をあつかっている
 波紋を投げかけた発見
 ふたたび両眼対応問題
 二つの物体のあいだの相対視差
 神経活動のゆらぎと知覚判断のゆらぎ
 ふたたびつがえる常識
 この章のまとめ 両眼立体視から学ぶ「脳と心の関係」
 コラム ユレシュの授業

第7章 脳、心、脳科学と私
 自分の目、ふつうの目――素朴実在主義
 心と脳科学
 鉄腕アトムと哲学者
 石仏の心

このページのトップへ